古事記と神道にみる、日本の神さまと「働く」ことの意味
「神社って、なんのためにあるの?」
「神道って、何を信じているの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、神社で祀られている神さまたちの多くは、『古事記(こじき)』という古い書物に登場する神々です。今日はその神々の姿を通して、日本の文化の根っこにある考え方を見ていきたいと思います。
古事記とは?
『古事記』は、日本最古の歴史書であり、神話や伝説が多く語られています。
登場する神さまはたくさんいて、ギリシャ神話のように個性豊かで人間味あふれるキャラクターばかりです。
天照大神も働いている?
神話の中で最高神とされる「天照大神(あまてらすおおみかみ)」さまは、機織り(はたおり)をしています。
他の神さまたちも、農業をしたり、建築をしたり、旅をしたりと、実に生活感あふれる存在です。
神道における「働く」とは
神道では、みんなで働いて、共に豊かさを生むという発想が基本にあります。
上の者が下に命令して支配するのではなく、神さまも一緒に働くというのが特徴です。
これは日本社会における「現場主義」や「協調性」にも通じているかもしれません。
キリスト教との違い
キリスト教の神さまは「唯一絶対」で、人間とは全く異なる存在とされます。
人間に命令を与え、試練を与える存在として描かれることもあります。
一方、古事記の神々は失敗もするし、怒ったり泣いたり、仲間と協力して世界を形づくります。
どこか人間くさく、親しみを感じるのです。
戦後日本と世界観の崩壊
日本は戦後、欧米の価値観を大きく取り入れました。
その中で、古来の「みんなで働いて幸せになる」という考えは薄れつつあります。
かつての日本が小さな国ながら力を持っていたのは、こうした価値観が社会の根底にあったからかもしれません。
おわりに
神社を訪れるとき、そこに祀られている神さまの姿に思いをはせてみてください。
彼らは、私たちと同じように日々を生き、働き、悩み、豊かさを築こうとした存在です。
そんな神さまが見守るからこそ、日本の神社はあたたかく、身近に感じられるのかもしれません。
